『スキャンダル』FOXニュースに潜むセクシャルハラスメント
2016年、FOXニュースに激震が走りました。
かつての人気キャスター、グレッチェン・カールソンが、
TV界の王様に君臨する、ロジャー・エイルズを
セクハラで告発したのです。
このニュースは全米に衝撃を与えました。
この一連の騒動を映画化した、「スキャンダル」
今回はその話です。
まずはFOXニュースが
米国内でどういった立ち位置にいるのか
非常によくわかりました。
日本の報道局もそれぞれによって
政治色は変わりますが、
やはり、その偏りに関しては
米国はすごい。
FOXニュースは
共和党のために作られたと言っても
いいぐらいな気がします。
共和党支持者が視聴者の大半を占めるからこそ
メーガンのトランプを批判する質問に
視聴者がブチ切れてるわけですが、
このメーガンとトランプの攻防の中で
メーガンとロジャーが
仕事上のパートナーとして
お互いを信頼していることがわかります。
一方で、ちょいちょい散りばめられている、
2Fとか、怒りと恐怖とか、忠誠心とか、兵士とか、
「この会社こっわあ〜ワード」によって
FOXニュースの闇をチラチラ感じてしまいます。
そんな中、
グレッチェンが解雇されたタイミングで
勝負に出るわけです。
この時の決意表明みたいな心の声がかっこよい。
「兵士が同じユニフォームを見に纏うのは
いつでも取り替えが効くということを表すため
私はそうはならない。」みたいな感じ
あくまでもグレッチェンは
周りが自分の声に賛同して
声を挙げるのをひたすら待ちます。
ここから描かれていくのは
被害にあったメーガン、ケイラをはじめとした、
FOXで働く全ての人の
心の中に巻き起こる葛藤です。
それぞれが、それぞれの立場から
今どう行動するのかを問われます。
この映画で僕がすごいいいなって思った点は
声を挙げた事実を全面に押し出すのではなくて、
どのように考えて、どんな経緯があって、
どのタイミングで行動を起こしたのか
そこに焦点が当たっている点です。
ある人物を美化する映画ではなくて
事実を映し出している映画ということです。
だからこそ、最後のシーンも素晴らしかった。
全然、びくともしてないマードック家。
ロジャーを解雇したFOXにとっては
この一連の出来事はへっちゃらで
体制は何ら変わらないことを突きつけられる。
他にも勉強になることがありました。
まずは、「沈黙」が
一つの意見表明になる場合があるってこと
大多数が社長側に賛同している中、
メ―ガンの沈黙はその反対を意味します。
もう一つは、ケイラの昇進面談みたいなシーン
Fair and Balanced の考え方です。
Fair とは公平
つまり平等にどちらにも偏らないこと
Balanced とは公正
意見することで、その反対意見とのバランスがとれること
「Fair and Balanced 」は
FOXニュースのスローガンの一つでしたが
いまやその標語は降ろされています。
序盤、情報量が多いのと
人物相関図を考えたりと
観終わった後は疲れました笑笑
最後に、、
この映画を観て、最近どころでいうと、
『記者たち』『バイス』とか思い出しました。
やっぱり米国を題材にする映画は
自分の好みだなって。
トランプとか、イラク戦争とか、9.11とか、
米国にとってのターニングポイントを描いた映画は
しっかり見尽くしたいなと思います!
読んでくださりありがとうございます!