パラサイトだけじゃない! アカデミー賞受賞ポン・ジュノ監督を考察
アジア映画初となる快挙!
先日、TOHOシネマズ川崎で観ました。
笑えるシーンがありながらも、なんだか終始漂う緊張感。
まさかの転換点を迎えてからは、一気に最悪の結末まで物語が急降下していく。
次の展開が常に気になって、あっという間に終わってしまった笑
一つの映画作品として、純粋に楽しかったです。
個人的には好きな俳優である、イ・ソンギュンがかっこいい。
お金持ち家族の父役をしていましたが、
目の奥に一種の冷酷さを感じる演技がほんとによかったです。
あとジャージャーラーメンめっちゃ食べたくなった…
パラサイトの話はこのぐらいにして、、、
アカデミー作品賞を受賞した、ポン・ジュノ監督。
パラサイト以外にも名作品がたくさんあります!
今回はその中でも、
に焦点を当て、ネタバレを極力せずに、おすすめできたらなって思います。
そして、僕なりにポン・ジュノ監督の特徴を考察したいと思います!
1 作品紹介
ジャンルはどう表現したらいいのか、コメディっちゃコメディだけど…
舞台は団地のマンション。
そこに住む、教授を夢見る大学院生(ユンジュ)が、
ある「犬」を地下室に閉じ込めるところから物語は始まります。
彼はペット禁止のアパートなのに
誰かが飼っている犬の鳴りやまない鳴き声に悩まされていたのです。
また重要な役割を果たすのが、もう一人の主人公ヒョンナム。
彼女はこのマンションの管理事務所に勤めており、迷い犬のビラ配りを手伝うことに…
正義感が強く、英雄を夢見る彼女は決定的な場面を目撃します。
「犬」を軸に、登場人物たちが徐々に交差しだし、出来事同士がどんどんつながっていく。
どう展開するか予想できない。まさにハラハラドキドキです!
韓国映画あるあるグロいシーンはほぼなく、
テンポも最初は遅めですが中盤以降はちょうどよく観やすいです!
※ただ、物語の最も重要な場面ではありますが、
ユンジュが人道的にやってはいけないことをしてしまうシーン
(先程も話した決定的な場面)があります。
そこに拒絶を覚えてしまうと物語は入ってこないかもしれません。
2 ポン・ジュノ監督 考察
ポンジュノ監督作品に関して、三点に絞って話したいと思います。
①エンターテインメント性
②引きの画
③正しさとは何か
2-1.なんといってもエンターテインメント性がすごい
彼の作品はエンターテインメント要素満載です!
ハラハラドキドキの展開がほんと多い。
いや、たまたまここでこれ起きる!?みたいな感じで、
都合主義のように見えちゃうかもしれないけど、そこが良いです!
彼は仲野太賀さんとの対談の中で、映画の役割について問われ、
映画が道具や手段になってしまうことは、あまり賛同できません。
それよりも、映画そのものとして映画は面白くあるべきであり、美しいものであるべきだ、という考えを持っています
と返答しています。
彼のこの答には非常に納得しました。
確かにメッセージ性だけ強くても、
物語として頭に入ってこなければ、映画にする必要がないと思います。
映像としてエンターテインメントを追求している彼の考えは、
本当に好きです。
どんどん出来事や人物がつなっがていく感じはその表れで、
一つの大きな特徴でしょう。
2-2.引きの画がかっこいい
パラサイトでもありましたね。
お金持ち一家から脱出に成功した半地下家族が、大雨の中、
階段をダーって駆け下りていくシーン。
非常に印象的に残る画です。
引いて全体が見えることで、落差は一目瞭然、
こんなに下るのか…と
貧富の差、立場の差をまじまじと突き付けられているような。
『母なる証明』でのアジョンの婆さんが、
屋上からマッコリを投げるシーンも
なんかよくわからないけどかっこいい。
『ほえる犬は噛まない』でも、
先ほど話した、決定的ポイントを引いて撮っています。
状況が見えてるのにただ傍観するしかない虚しさのようなものが
際立って映ります。
ほんといい感じ!
2-3.“正しさ”とは何か
彼の作品は、常に、正しさに普遍性はあるのかを
突き付けてくるように感じます。
それが表れている最たる作品は『殺人の追憶』な気がしますが、
彼の作品を観ると、
重要な判断に迫られた時にどう行動するか、
それを問われているような気がしてなりません。
その判断・行動は正しかったのか、
正しいのならそれらを正当化している根源は何なのか。
人には人それぞれのプライドや責任感があって、
周りと違かろうが、自分の正義観に基づいて行動した経験は
誰にでもあると思います。
だからこそ、彼の撮る作品は自分だったらこうするというように、
自然と自分に照らし合わせてしまい、
先の展開を常に追ってしまうのだと思います。
読んでいただき、ありがとうございます。
こんな感じで更新できたらいいなって思ってます。